【生活保護】面接・相談時の録音禁止は正当か?【その2】

雑記
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前回までのあらすじ

どうも、もとけぃです。

今回は、前回に引き続き、生活保護の相談・申請時に福祉事務所が録音を禁止することが妥当かどうかについて、私の考えを述べていきます。
前回の記事が未読の方は、コチラをご覧ください⇒【生活保護】面接・相談時の録音禁止は正当か?【その1】

前回は、録音の禁止は各自治体の庁舎管理規則により定められているが、住民の権利の制限は条例で定めるべきなのではということ。
そして、個人情報の保護を目的とするのであれば、録音ができるということは他の人の相談内容が耳に入ってくるということであるから、そもそも相談の環境を整えるよう努めるべきではないかということを述べました。


それらをふまえて、後半に進んでいきます!

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障害者差別解消法

地方公共団体(行政機関等)には、個人情報の保護の他にも様々な義務があります。
その中から、今回は下記の法律を紹介します。

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(抄)
(行政機関等における障害を理由とする差別の禁止)
第7条 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。

ここでいう「障害」は単に障害者手帳を持っているか否かでは定義されておらず、その他の心身の機能の障害がある方も含みます。

特に私は、「人にはそれぞれ得手不得手があり、社会生活を営むうえで、その特性によって社会的障壁を感じる場面がある」と考えています。
私自身はそれを障害と呼ぶことはないですが、生活を営む際で感じる障壁という観点からは、社会の側に何かしらの障害があると言えるでしょう。

それらをふまえ、行政機関等には、その社会側にある障害、社会的障壁の除去について、必要かつ合理的な配慮をする義務があると考えます。

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無断で録音すること

念のため、秘密裡に会話を録音した場合、罪になるのかどうかも述べておきましょう。
これについては、東京高等裁判所の判例を見るのが早いでしょう。
全文はコチラ(外部リンク:裁判所HP)

相手方との会話内容を無断で録音したことについて、相手の同意がなくとも違法ではなく、証拠能力も否定されないと判断されています。
これなら、会話内容に疑義がありそうならスマホを録音できる状態にしてポッケにでも入れておけばいいような気もします。
会話内容に違法性がありそうなら、手段としては秘密録音も考えられる程度に頭に入れておきましょう。

提案

ここまで長々と地方公共団体等の規則、法による義務や秘密録音の妥当性等を述べてきました。
結局何が言いたかったかというと、相談者に次のようなことを申し出られたときに、福祉事務所はどのような対応をするのかが気になるという点です。

相談者「私は生まれつきの特性(障害)で聞いたことを一度に覚えることが難しいので、後から確認できるようにするため相談内容を録音させてください。録音した内容に他の人の個人情報が含まれる場合があるかもしれませんが、個人が特定できる状態でSNS等に公開することはしません。必要であればその旨の誓約書を提出します。」

…こう言われてしまうと、福祉事務所としては合理的配慮の観点から録音を認めざるを得なくなってしまうのではないでしょうか(もちろん、虚偽の申告はいけませんが)。

庁内管理規則があるとはいえ、規則が法律に優先することはありませんし、そもそも住民の権利の制限は条例で定めるべき。
それでも規則遵守を掲げて録音禁止を命じ、退去命令を出して不退去罪で警察に通報しようものなら、その旨を地方議員等にでも訴えられたらTHE・ENDな気がします。
全国ニュースになり、「○○福祉事務所は配慮が足りていない」と叩かれること請け合いです。

実際に申し出られた際、福祉事務所がどのような対応をするかが楽しみです(笑)

まとめ

以上、様々なことを語ってきましたが、私の言いたかったことはご理解いただけたでしょうか?

これは、世の中の「そもそも録音を禁止するってことは水際作戦みたいな、何かやましいことしてるんじゃないの?」という疑念を晴らすことも含め、不必要な住民の権利の制限をなくすという挑戦でもあります。

確かに録音すると言われると福祉事務所側は緊張はするかもしれませんが、それによって処分内容の変更等、対応が異なることはあってはならないですからね。
ただ、時々ニュースで見るように、水際作戦が撲滅されきっていないのも事実。
常に、誰に聞かれても問題のない対応を心がけるようにしてほしいですね。

以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。

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