はじめに
どうも、もとけぃです。
春先はバタバタとしておりましたが、少しずつ落ち着いてまいりました。
とはいえ、6月中旬に差し掛かるとまた忙しくなりそうでなので今のうちに記事を書いていこうという所存です。
今回は、以前質問箱でご質問いただいたなかで、意外とご存知でない方が多いのかなと思われる「入院等をした際に受ける保険金について、収入認定の対象から外すことのできる範囲」について、サラッと紹介していきます。
収入認定控除(除外)について
まず、生活保護制度上における収入認定対象からの除外について少し説明します。
収入は生活保護法第4条の理念に基づき、資産活用の観点から全て認定することが原則です。
しかし、この原則を貫徹し、生活保護を受けている方に対する全ての金銭給付を収入として認定していると、法の目的でもある自立助長の観点、社会通念上の観点から適当でない場合も出てきます。
そうした場合は、例外的に収入として認定しないこととしており、実務上は「収入認定除外」と称されています。
その種類には様々なものがありますが、今回関係するものは主に次のものでしょう。
厚労省事務次官通知第8-3-(3)(抄)
次に掲げるものは、収入として認定しないこと。
オ 災害等によって損害を受けたことにより臨時的に受ける補償金、保険金又は見舞金のうち当該被保護世帯の自立更生に当てられる額
この災害等は、地震や水害により被災した家を直さなくてはならないときや、事故により入院しなくてはならなくなったとき等を含みます。
様々な場合に適用できるものではありますが、ざっくりとしすぎて逆にわかりにくいかもしれませんね…。
ただ、入院等についてはもう少し詳細が示されていますので、併せて紹介いたします。
入院に伴う保険金等について
入院時等は単に医療費だけでなく、様々な費用がかかるため、生命保険の保険金等から工面されることがありますよね。
そのような場合、その収入の取扱いがどうなるか、次をご覧ください。
厚労省保護課長通知 生活保護問答集について(抄) 問8-42 医療に伴って通常必要とする間接経費の例 (問)貸付資金、恵与金等のうち当該被保護世帯の自立更生のために当てられることにより収入として認定しないこととされている「医療を受けることに伴って通常必要と認められる経費」には、例えば、次のものは含まれるか。 (1)入院料の他に病室の差額料金を要する場合の料金(他の入院患者との均衡を失しない場合に限る。) (2)健康保険によって認められていない高価薬に要する費用 (3)見舞いのための家族の交通費 (4)嗜好品費 (5)図書、読書台費 (6)子どもの病床における遊ぎ道具の費用 (7)謝礼 (答)医療扶助の対象とならないいわゆる関節医療費を含むものである。したがって、(1)から(6)までについては、認められるが、(7)については社会通念上必要と認められる常識的な範囲での贈答品費等を除き、一般的には認められない。 なお、(4)については、果物、菓子等の患者の嗜好品に要する費用である。(5)、(6)については、病気療養中の精神的安定と病気療養中の余暇を利用しての社会復帰への準備として、認められるものであるが、他の療養者等との均衡を失することにならない程度のものであることを要する。
以上のように示されています。
いつもの読みにくい文章よりは多少わかりやすいですかね(笑)
ざっくり言うと入院による保険金や加害者からの贈与等について、上記のものであれば収入認定からの除外が認められる余地があるということです。
こういったものが必要になる事態が訪れないのが一番ではありますが、いざというときのために頭の片隅に入れておきましょう。
まとめ
入院等医療に伴って生じる収入の認定除外について、ご理解いただけたでしょうか。
ケースワーカーとして勤めている方は、今回挙げたようなものを考慮せずに全額に生活保護法第63条を適用して返還させてないか、気をつけなくてはなりません。
また、受給者側もそのような取扱いをする福祉事務所があれば、しっかりと抗議できるように備えておきましょう。
以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。
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