間違ってない?生活保護制度における「その他の収入」の認定

CW向け
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次官通知?局長通知?

今回はケースワーカー向けの内容です!
生活保護手帳には「その他の収入」として厚労省次官通知と局長通知のどっちも載ってますよね。
「8,000円控除か全額認定か…これ、どっちを適用したらいいんだろう…」と思ったことありませんか?
でも、これってそういう次元の話ではないんですよ。
今回はそんな論争について語ります。

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次官通知では

厚労省次官通知第8-3-(2)-エ-(イ) (要約)
不動産又は動産の処分による収入、保険金その他の臨時的収入(災害等による臨時金、福祉事務所の指導等により売却して得た金銭及び死亡を事由とした臨時金を除く。)については、その額(受領するために交通費等を必要とする場合は、その必要経費の額を控除した額とする。)が世帯合算額8,000円(月額)をこえる場合、そのこえる額を収入として認定すること。
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局長通知では

厚労省局長通知第8-1-(5) その他の収入
(1)から(4)までに該当する収入以外の収入はその全額を当該月の収入として認定すること。
ただし、これによることが適当でない場合は、当該月から引き続く6箇月以内の期間にわたって分割認定すること。

ちなみに、(1)から(4)とは、(1)勤労収入、(2)農業収入、(3)農業以外の事業(自営)収入及び(4)恩給、年金等の収入のことを指します。

これを見ると「あれ、結局8,000円控除なの?全額認定なの?」と混乱してしまいますよね。
しかし、そう思ったあなた!あなたは異なる通知を混同してしまっています!

なぜなら、次官通知は局長通知に比べ、いわゆる上位通知にあり、今回は局長通知において次官通知について何ら記されていないため、それぞれが独立した通知として取扱われることとなるからですね。
例えば、局長通知において「次官通知第〇の〇にいう~…」という文言は本通知には記されていません。
つまり、控除と認定月の取扱いが別個に定められていると考えなければならないということです。

まとめ

今回の話をまとめると以下のとおりです。

上記通知をみると「次官通知において定められるその他の収入(実際に収入があるまで額が確定しないもの)が8,000円を超える場合は、その超える額のみを収入認定し、局長通知により(8,000円を控除した額)全額を(原則分割認定せずに)当該月の収入として認定すること」と読み解けます。

言い訳

ただ、これらは私が現役時代に解釈し、上庁に助言を仰いだうえでいただいた回答ですが、いざインターネットの海を探してみると、バチッと示されている記述が見つかりませんでした。
裁決や判例もひと通り確認したのですが…
この取扱いで間違いないとは自負しますが、仮に「違うよ!」という根拠が示せる方は、コメントやTwitter等で反応いただけると幸いです。

様々なことが細かく記されている生活保護手帳ですが、通知によっては読み解きにくい記述があることもまた事実です。
記述の煩雑さから、精神障害者保健福祉手帳所持者への障害者加算の誤認が生じ、1つの福祉事務所だけで1,000万円を超える過支給が発生したというのも記憶に新しい事件ですね。
個人的には生活保護に関わる人は生活保護手帳を持つべきとは存じますが、その読み解き方には注意するようにしましょう。


以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。

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