生活保護をやめたいと思ったら?【辞退届】

様式集
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生活保護を自主的にやめたいときは

どうも、もとけぃです。

今回は、質問箱にてよくご質問いただく、「生活保護を自分の意思でやめたいときにどうしたらよいか」という疑問にお答えいたします。
基本的には安定した生活が営めるようになるまでやめるべきでないと考えますが、自動車が保有できなくなってしまう場合もあるため、それらの制約を受けたくない場合の選択肢として覚えていただけたらと存じます。


それではいきましょう!

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福祉事務所側が生活保護を廃止にする場合

まずは、福祉事務所の判断等によって生活保護が廃止になる場合について、簡単にご説明いたします。

一番わかりやすいのは、単純に世帯の収入が最低生活費を超えた場合です。

生活保護法(抄)
(保護の停止及び廃止)
第26条 保護の実施機関は、被保護者が保護を必要としなくなつたときは、速やかに、保護の停止又は廃止を決定し、書面をもつて、これを被保護者に通知しなければならない。第二十八条第五項又は第六十二条第三項の規定により保護の停止又は廃止をするときも、同様とする。

以上のように、法第26条で定められており、「必要としなくなったとき」というのが、世帯の収入が国の定める最低生活費を超えたときのことをいい、その状態が短期間の見込みであれば保護の停止、6箇月を超える見込みであれば廃止等と定められています。


次は、福祉事務所からの指導指示違反による廃止です。

生活保護法(抄)
(指示等に従う義務)
第62条 被保護者は、第27条の規定により、被保護者に対し、必要な指導又は指示をしたときは、これに従わなければならない。
3 保護の実施機関は、被保護者が前2項の規定による義務に違反したときは、保護の変更、停止又は廃止をすることができる。
4 保護の実施機関は、前項の規定により保護の変更、停止又は廃止の処分をする場合には、当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、当該処分をしようとする理由、弁明をすべき日時及び場所を通知しなければならない。

これも何となく聞いたことがある人はいるのではないでしょうか。

法第27条は、福祉事務所が生活保護を受ける方に対して生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができると規定されています。
その再三の指導指示に正当な理由なく従わない場合、保護が停廃止となる可能性があります。


さらに、福祉事務所による立入調査等を拒む場合の廃止です。

生活保護法(抄)
(報告、調査及び検診)
第28条 保護の実施機関は、保護の決定若しくは実施又は第77条若しくは第78条(第3項を除く。次項及び次条第1項において同じ。)の規定の施行のため必要があると認めるときは、要保護者の資産及び収入の状況、健康状態その他の事項を調査するために、厚生労働省令で定めるところにより、当該要保護者に対して、報告を求め、若しくは当該職員に、当該要保護者の居住の場所に立ち入り、これらの事項を調査させ、又は当該要保護者に対して、保護の実施機関の指定する医師若しくは歯科医師の検診を受けるべき旨を命ずることができる。
5 保護の実施機関は、要保護者が第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は医師若しくは歯科医師の検診を受けるべき旨の命令に従わないときは、保護の開始若しくは変更の申請を却下し、又は保護の変更、停止若しくは廃止をすることができる。

これはあまり聞きなじみがないかもしれませんが、福祉事務所は生活保護を受ける方に対して、自宅への立入調査をさせるよう命じたり、医師の検診を受けるよう命じたりすることができます。
そして、それに従わないようであれば保護の停廃止をすることができるというものです。


以上が、福祉事務所側が保護の廃止をする場合です。

このほか、失踪の際も廃止とすることがありますが、厳密に法律で廃止できると定められているものではないので割愛します。

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生活保護の辞退廃止について

では、これまでに示された条件を満たさなければ生活保護をやめることはできないのかというと、実はそうではありません。
生活保護を受ける権利はもちろんのこと、保護を受けない自由だってあります。

自身で生活できる見立てがあり、納得しているのであれば「辞退届」というものを提出することで保護を廃止してもらえることがあります。

通知では次のように示されています。

厚生労働省保護課長問答(抄)
保護受給中の者から提出された「辞退届」の取扱い
問(10の12-3)保護受給中の者から「保護を辞退する」旨の意思を示した書面(以下「辞退届」という。)が提出された場合には、これに基づき保護を廃止しても差し支えないか。
答 被保護者から提出された「辞退届」が有効なものであり、かつ、保護を廃止することで直ちに急迫した状況に陥ると認められない場合には、当該保護を廃止して差し支えない。
 ただし、「辞退届」が有効となるためには、それが本人の任意かつ真摯な意思に基づくものであることが必要であり、保護の実施機関が「辞退届」の提出を強要してはならないことは言うまでもなく、本人が「保護を辞退する義務がある」と誤信して提出した「辞退届」や、本人の真摯によらない「辞退届」は効力を有せず、これに基づき保護を廃止することはできないものである。
 また、「辞退届」が本人の任意かつ真摯な意思に基づいて提出された場合であっても、保護の廃止決定を行うに当たっては、例えば本人からの自立の目途を聴取するなど、保護の廃止によって直ちに急迫した状況に陥ることのないよう留意すること。
 さらに、保護の廃止に際しては、国民健康保険への加入など、保護の廃止に伴い必要となる諸手続きについても助言指導するとともに、必要に応じて自立相談支援機関につなぐこと。

だいぶ長いので、簡単に要約いたします。

①「辞退届」が本人の任意かつ真摯な意思によって書かれたものである。
②保護廃止後の自立生活についての目途がある。
③保護廃止後、すぐに生活に困窮することがない。

これらの条件を満たせば、保護の辞退廃止について、福祉事務所が検討を行うことができます。

「辞退届」の書き方について

さて、最後に「辞退届」の書き方についてご説明いたします。


「辞退届」は、先の通知にもあるように福祉事務所が提出を強制することがあってはいけません。
それもあり、様式を定めてはならないこととされています。


そのため、A4の白紙に次のように書いたので事足ります。
記載例はコチラ⇒辞退届(例)


もちろん、自立の理由については、自身の状況に応じて書き換える必要があります。
また、月途中での保護廃止となると保護費の返還等も生じてしまうので、時期がよいようであれば翌月1日付けの辞退とした方が問題は生じにくいです。

なお、就労が決まったことにより辞退廃止をするとした場合、就労収入の増加等によって廃止となる就労自立給付金の対象から外れることとなりますのでご注意ください。

まとめ

以上が、生活保護を自主的にやめたいときの方法です。
辞退届の意味等について、ご理解いただけたでしょうか。


生活保護を受けない自由があることも述べましたが、辞退によって生活に困窮してしまうようではいけません。
自立の目途が十分に立った場合の選択肢の一つとして考えてくださいね。

以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。

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