【生活保護】クレジットカードを所持・利用したら?【判例】

受給者向け
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クレジットカードについて解説!


※注意※
令和4年4月1日より新たに取扱いが定められました。
詳しくはこちらの記事をご覧願います。
コチラ⇒【生活保護】クレジットカードやローン等の制度改正!【利用可能】

どうも、もとけぃです。

本日は、近頃では当たり前になってきたクレジットカード等、キャッシュレスでの支払いについて、生活保護制度上の取扱いを語っていきたいと思います。
これについては、生活保護の通知等で明確に定められているものではないので、ネットで調べてもどこか曖昧な回答しかないように見受けられます。
そこで、今回は判例も紹介していきますよ!

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クレジットカードの所持の可否

まず、生活保護受給者がクレジットカードを所持してよいかという疑問もあるかもしれません。
ただ、クレジットカード自体には何ら資産価値がないため、特段処分する義務はありません。
保護の受給開始後に新たにカードを作成するのは困難を極めるでしょうが、受給し始める前から使用していたこともあるでしょうしね。

そのため、所持自体は問題ありませんが、後で述べるとおり保護受給中は使用する機会はなくなるはずなので、必要なければ解約しておいた方がよいと考えます。

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クレジットカードを利用した際の取扱い

次に、保護受給中にクレジットカードを利用した際の取扱いです。

結論からいうと、クレジットを利用した分については、収入認定されることとなります。

生活保護費徴収処分取消請求事件(札幌地方裁判所 平成20年2月4日判決)の判例をもとに解説します。
全文はコチラ(外部リンク:裁判所-裁判例結果詳細)
※本件ではクレジット利用のほかにも借入金がありますが、それも含めて収入として認定されています。

原告(以下「Aさん」という。)は、保護開始後にクレジットカードを利用し、10万円の子ども服、27万9,000円のネックレスを購入。
被告(札幌市北区の福祉事務所)は、Aさんからその申告がなく、保護費に過支給が生じていることを理由に、生活保護法第78条徴収金を適用。
Aさんはそれに対し、「クレジット利用は借入れでなく立替金であるため、収入認定の対象とすべきではない」として訴訟を起こしました。

裁判所の判断は次のとおりです(全文10ページ目の2-(2)-イ以降参照)。

クレジットを利用した購入物品について、将来、立替金の弁済が予定されているとはいえ、借入金同様、被保護者が活用可能な資産が増加することに変わりはなく、他方、購入物品を一切収入と認めないのであれば、保護の補足性の観点からすればかえって不合理な結果となることは明らかであるから、これらを収入認定の対象とすべきではないとのAさんの主張は採用できない。
Aさんが生活保護受給中にした借入れに係る金銭及びクレジット利用による購入物品は、「資産」ないし「金銭又は物品」に該当し、収入認定の対象となるというべきである。

要するに、「借入れをした時点で活用可能な資産が増加していることになるから、それは収入として認定しないとおかしいよね」ということです。
これは、クレジットカードのみならず、通常の借入金にも言えることのようです。

福祉事務所としてはクレジット利用の履歴を追うのは困難を極めますが、未申告のものが判明すれば過支給分を徴収、場合によっては刑事告訴等もあり得るかもしれませんので、保護受給中の利用はしない方がよいでしょう。

まとめ(もとけぃの考え)

今回、クレジットカードを利用した際は、その利用分を収入として認定されることについてはご理解いただけたと思います。


ただ、昨今においてクレジットの利用は一般的になっており、むしろポイント還元の観点から、財テクの一つともいえるようになってきています。
分割払いなら金利等がかかってしまうのでともかく、一括払いであり、適正に口座等から引き落とせるのであれば、利用を認める方が「支出の節約」を図っているのではないかと私は考えます。


もちろん、現状の取扱いでは国の通知や判例等を踏襲するしかありません。
しかし扶養照会の件しかり、世論の流れから取扱いが変わっていくことが往々にしてあるので、今後どうなっていくか見ものですね。

以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。

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