生活保護費でおむつ代を支給する際は要注意!
入院時等に一時扶助として支給して差し支えないおむつ代。
毎度のことなので何となく支給しているととんでもない罠が潜んでいる場合があります。
今回は、普段何気なく支給するおむつ代について詳しく説明していきます。
法律関係は…
まず、おむつ代の支給については次のように定められています。
厚労省社会・援護局長通知第7-2-(5) 被服費(抄録)
ア 被保護者が次のいずれかに該当する場合であって、次官通知第7に定めるところによって判断したうえ、必要と認めるときは、それぞれに定める額の範囲内において特別基準の設定があったものとして被服費を計上して差し支えないこと。
(カ) 常時失禁状態にある患者(介護施設入所者を除く。)等が紙おむつ等を必要とする場合
月額 20,900円以内(令和2年10月1日施行)
ここまではケース記録等にも根拠として記載することがあると思いますので、皆さんもご存じでしょう。なお、次官通知第7の詳細についてはいずれお話ししたいと思います。
問題はここから、おむつの種類等についても意外とキッチリ定められています。
厚労省社会・援護局保護課長通知
問(第7の42)常時失禁状態にある患者等が布おむつ、貸おむつ又はおむつの洗濯代が必要と認められる場合は、その費用を基準額の範囲内で支給してよいか。
答 お見込みのとおり取り扱って差しつかえない。
生活保護手帳別冊問答集
問7-42 紙おむつ等の範囲
(問)紙おむつ等の「等」とはどんなものを指すのか。
(答)布おむつ、貸しおむつ、おむつの洗濯代のほか、おむつカバーや油脂等失禁防除のために必要な物をいうものである。
おむつ自体の種類については、現代においては基本的に紙おむつだと思いますが、どうあれ「失禁防除のために必要な物」であるというところがミソです。
具体例として
実際に私のケースワーカー時代にもありましたが、請求書の明細の中に「おしりふき」を含めている病院があり、上庁にも確認した結果、「汚れを取り除くものであって、失禁防除とは言い難いため、認定すべきではない」との回答であったため、かかる費用は自身に負担してもらうこととなりました。
都道府県庁が作成する運用集や質疑集で別途定めているのなら問題ありませんが、同様のケースがある場合は、一度上庁に確認した方が無難でしょう。
また、対象者が「常時失禁状態にある患者」にあたるかどうかの判断も適正に!(私のところでは医師に要否意見書を依頼してました。)
以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。
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