【生活保護】自傷行為等は医療扶助を適用できない?

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医療扶助を適用できる場合とそうでない場合

どうも、もとけぃです。

今回は、生活保護制度上の医療扶助について、適用できる場合とそうでない場合の一例について紹介していきます。
どちらかというとケースワーカー向けの視点で語っていきますので、受給者の方等はあしからず。

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法律関係は

まず、医療扶助は生活保護法において定められています。

生活保護法(抄)
(医療扶助)
第15条 医療扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
1 診察
2 薬剤又は治療材料
3 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
4 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
5 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
6 移送

また、同法第52条により、医療扶助の診療方針及び診療報酬は、国民健康保険の例によることとなっています(別に定めがある場合を除く)。
つまり、健康保険が適用となる治療等については医療扶助が適用されますが、例えば入院時の衣服や差額ベッド代、診断書料等は対象外となり、基本的に自己負担です。

今回の話は、この「国民健康保険の例による」というのがキーワードです。

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医療扶助が適用できない場合

先に述べたものの以外にも、医療扶助が適用されない場合があります。
それは次のようなケースです。

厚労省保護課長通知
生活保護問答集について(抄)
問41 違法行為により自傷した者に対する医療扶助の適用について
(問)国民健康保険法第60条において、「被保護者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に疾病にかかり、又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等は、行わない。」と規定されているが、医療扶助についても同様に取扱うこととしてよいか。
(答)お見込のとおり取扱うものである。
 ただし、負傷した被保護者について、扶養義務者からの援助、他法他施策等を活用してもなお急迫状態にあるときは、必要最小限度の範囲で医療扶助を適用することもやむを得ないものと考える。

簡単に言うと、「国民健康保険では、自分でわざと給付の理由を生じさせた際は給付しないと定めているから、医療扶助もその例にならって原則適用しないよ」ということです。
一応、他からの援助等が得られず、急迫状態にあるときは適用してもやむを得ないとは示されていますけどね。

自傷行為の際は?

さて、ここで気になるのが、リストカット等の自傷行為の際は医療扶助を適用してよいのかという点です。
先ほどの考えであれば、自分で自分を傷つけ、医療が必要となる行為なので、支給対象にはならないように思われます。

これについては、別に通知が出ていますので見てみましょう。
全文はコチラ(外部リンク:厚労省HP)

厚生労働省保険課長通知(平成22年5月21日 保保発0521第1号)
自殺未遂による傷病に係る保険給付等について(抄)
 健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律では、故意に給付事由を生じさせた場合は、その給付事由についての保険給付等は行わないことと規定していますが、自殺未遂による傷病について、その傷病の発生が精神疾患等に起因するものと認められる場合は、「故意」に給付事由を生じさせたことに当たらず、保険給付等の対象としております。

これによると、「いわゆる精神障害等を理由として自殺未遂を図り、傷病を発生させた際は、”故意”とは取り扱わない」と示されています。
先に述べたとおり、生活保護制度上の医療扶助は国民健康保険の例によることとなっているため、この取扱いも医療扶助に準用できると考えます。


つまり、精神障害者保健福祉手帳等を所持しているケースが自殺を目的にリストカット等をした際は、医療扶助を適用してもよいということが言えるでしょう。
もちろん、単に誰かの気を引きたい等というだけで自傷するようでは該当しないでしょうけどね。

まとめ

ここまで、生活保護制度上の医療扶助について、適用できる場合とそうでない場合の一例についてご理解いただけましたでしょうか。

相変わらず、生活保護制度に携わる方は、端々の法律や制度まで熟知しておかなくてはいけないというのを思い知らされますね。

皆様も、このブログで少しずつ知識を蓄えて行っていただけると幸いです。
一緒に勉強していきましょう!

以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。

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