生活保護の加算の認定で損をしないために

受給者向け

生活保護制度には、通常の基準生活費において配慮されていない個別的な特別需要を補てんすることを目的として加算を認定することがあります。
例えば障害により最低生活費を営むのに、より多くの費用を必要とする方や、通常以上の栄養補給を必要とする在宅患者、胎児のための栄養補給を必要とする妊婦のように、多額の特別需要を有する者について、その需要に着目して、基準生活費に加算を上積みします。
この加算によってはじめて加算がない者と実質的な同水準の生活が保障されるようになるということで、この制度が定められています。

これらの加算について、認定時期等に一癖あり、何も知らなければ本来受ける必要のある保護費を受給できない場合がありますので、今回はそれをお話しします。

加算の届出については、次のとおり定められています。

生活保護手帳別冊問答集
問7-17 加算についての届出
(問)妊産婦加算は届出によって計上することとなっているが、そのほかの加算はどうか。
(答)加算の認定に限らず、最低生活費の認定は、一般に本人の申告、届出が中心となって行われるべきものである。しかし、実施機関の側においても対象者の需要発見について積極的に確認の努力をすべきであることはいうまでもない。したがって、現業員が加算の要件に該当すると思われる者を発見したときは、ただちに実施機関として認定に必要な手続をはじめるとともに本人に対して適当な方法で申告届出を求めるべきであろう。
 なお、妊産婦加算を含めて、月の中途で、加算の要件に該当する者からの申告届出があり、これらの者を発見した場合は、翌月の初日から加算を計上すれば足りるものである。

ここで書かれていることを簡単にまとめると
・加算が必要な状態になった場合、本人が申告すべきである。
・ただ、福祉事務所側もある程度は把握できるよう努力すべきである。
・福祉事務所が加算に必要な者を発見した際、最終的には本人に申告届出を求める。
・妊産婦加算含め、他の加算も月の中途で申告があれば翌月1日から加算計上する。
というものです。

何が重要かというと、「結局は自身で申告しなければ、それだけ加算が計上されるのが遅くなる可能性がある」という点です。
福祉事務所側もある程度は加算が適用されるか確認することが書かれてはいますが、最終的には本人からの申告届出を求めることとなっているため、あってないようなものといっても過言ではないかもしれません。
あえて悪い言い方をすれば、認定が遅くなったからといって、福祉事務所に「いや、本人が変更申請書出してこなかったんすよ~」と言われればそれまでということです。
そのため、世帯の状況に加算に関わる変更があった際は、速やかに福祉事務所までその旨を申告することを心がけましょう。

ちなみに、障害年金の等級に基づいて認定される障害者年金については、厚労省通知『生活保護法による保護における障害者加算等の認定について』により、年金の裁定の行われている以前に変更申請が行われていた場合に限り、裁定等のあった月、その前月及び前々月から障害者加算が認定されることとなりますので、受給者の方もケースワーカーも要チェックです!

以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。

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