生活保護制度における通院費
どうも、もとけぃです。
本日は、これまでちょくちょく質問箱でご質問いただいていた医療機関に通院する際の交通費(通院移送費)について、生活保護費が支給されるのか否か等を解説していこうと思います。
わりとぶっちゃけ話もありますので、少しは期待してもいいかもしれませんよ笑
通院移送費の支給について
まずはまじめに、生活保護制度上の取扱いについて説明したいと思います。
交通費(移送費)が支給される可能性があるのは、次のときです。
厚生労働省社会・援護局長通知「生活保護法による医療扶助運営要領について」 第3-9移送の給付(抄) (2)給付の範囲 ア 医療機関に電車・バス等により受診する場合で、当該受診に係る交通費が必要な場合 イ 被保護者の傷病、障害等の状態により、電車・バス等の利用が著しく困難な者が医療機関に受診する際の交通費が必要な場合 ウ 検診命令により検診を受ける際に交通費が必要となる場合 エ 医師の往診等に係る交通費又は燃料費が必要となる場合 オ 負傷した患者が災害現場等から医療機関に緊急に搬送される場合 カ 離島等で疾病にかかり、又は負傷し、その症状が重篤であり、かつ、傷病が発生した場合の付近の医療機関では必要な医療が不可能であるか又は著しく困難であるため、必要な医療の提供を受けられる最寄りの医療機関に移送を行う場合 キ 移動困難な患者であって、患者の症状からみて、当該医療機関の設備等では十分な診療ができず、医師の指示により緊急に転院する場合 ク 医療の給付対象として認められている移植手術を行うために、臓器等の摘出を行う医師等の派遣及び摘出臓器等の搬送に交通費又は搬送代が必要な場合(ただし、国内搬送に限る。)
基本的には上記の要件をもとに、当てはまれば保護費として支給される可能性があります。
一般的な世帯で関係してくるのはアかイあたりですかね。
アは通院に公共交通機関の利用が必要な場合のことを指し、イはその機関の利用が困難な方がタクシー等を利用する際の交通費を言います。
ところで、説明受けてる?
さて、先に述べた通院移送費の給付の範囲ですが、生活保護を受けられている方は福祉事務所から説明を受けましたでしょうか?
「初めて聞いた」という方も多少いらっしゃるのではないでしょうか。
これはあくまでも主観ですが、正直通院移送費は言われなければ支給しない保護費ランキング上位だと思います。
もちろん、自身で通院できる人には支給されないものなんですが、少なくとも丁寧に説明したうえ、その該当可能性について検討をする必要はあります。
ハナから「元気だから交通費必要ないっしょw」というわけにはいかないということですね。
福祉事務所はあくまでも、医師の意見等をふまえたうえで支給の可否を判断する必要があるため、自身の足で通院が難しいと感じる方は、通院移送費について生活保護変更申請書で支給の申請を行うべきです。
通院移送費の基準は?
保護変更申請の結果、仮に支給が認められるとなった場合、その費用の基準はどうなるかというと、これも通知である程度示されています。
厚生労働省社会・援護局長通知「生活保護法による医療扶助運営要領について」
第3-9移送の給付(抄)
(1)給付方針
給付については、療養に必要な最小限度の日数に限り、傷病等の状態に応じて経済的かつ合理的な経路及び交通手段についての判断に当たっては、同一の病態にある当該地域の他の患者との均衡を失しないようにすること。
少しわかりにくい書き方なので、ざっくり噛み砕くと「必ずしも最も安い経路というわけでなく、病状等に応じて通院可能な経路等にかかる交通費を支給する(ただし、他の一般的な患者の交通費を超えない程度)」という感じです。
現に、過去の裁決ではレンタカーの使用も認め得る状況であったと認めるという事例もあるため、画一的に取り扱うと福祉事務所が痛い目を見てしまう可能性があります。
まとめ
今回はとりとめもない話ではありますが、重要な点は次のとおりです。
・生活保護制度では病状等によって通院の際の移送費(交通費)の支給が認められる場合がある。 ・通院移送費の支給は、福祉事務所のみでなく、医師の意見等をふまえて判断する必要がある。 ・自身での通院が難しいようであれば、通院移送費について生活保護変更申請書を福祉事務所に提出する。
これに尽きますね。もちろん、ここまでして福祉事務所が適正な判断のもとに支給できないと決めたのであれば仕方ありませんが。
この通院移送費のみならず、福祉事務所が「本人が何も言わないんだから支給しなくてもいっかw」とするものは他にもあります(あえて悪く書いていますが)。
今後、他のものも紹介していければと考えておりますので、ほどほどに期待していただけると幸いです。
以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。
コメント