生活保護受給中に原付等を保有するための4つの要件【処分指導?】

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生活保護制度における原付等の取扱い

どうも、もとけぃです。

本日は、質問箱でもよくご質問いただく「原付の保有」について、その基本中の基本を解説していこうと思います。
自動車よりも保有要件は若干ゆるい印象は受けますが、やはり手放しで容認とはいきません。

原付やオートバイ等の生活保護制度上の取扱いについて、この記事を読めば完全に理解できるよう、通知等を紹介していきます!

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原付等の保有要件について

まず、原付等の保有要件は次のように定められています。

厚生労働省保護課長事務連絡
生活保護問答集について(抄)
問3-23 オートバイ及び原動機付自転車の保有
(問)生活用品としてオートバイ及び原動機付自転車の保有は認められるか。
(答)総排気量125ccを超えるオートバイについては、生活用品としての必要性は低く、自動車の取扱いに準じて取扱うべきものである。したがって生活用品としての保有は認められない。
 総排気量125cc以下のオートバイ及び原動機付自転車については、その処分価値及び主な使途等を確認したうえで、次のすべての要件を満たすものについては保有を認めて差し支えない。
1 当該オートバイ等が現実に最低生活維持のために活用されており、処分するよりも保有している方が生活維持及び自立助長に実効があがっていると認められること。
2 保有を認めても当該地域の一般世帯との均衡を失することにならないと認められること。
3 自動車損害賠償責任保険及び任意保険に加入していること。
4 保険料を含む維持費についての捻出が可能であると判断されること。

以上のとおり、まず前提条件として原付等が125cc以下であり、そのうえで4つの要件を全部クリアできれば、保有を認められる場合があるということです。

特に、任意保険にも入っておかなければ保険への加入、もしくは原付等を処分するよう指導されることがあるため注意が必要です。

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原付等の購入について

次に、原付等を新たに購入する際、就労のための必要経費として認められる場合があります。
その取扱いは次のように示されています。

厚生労働省保護課長問答(抄)
就労に必要な自転車等の購入費
問(8の23)被保護者が就労に必要な自転車又は原動機付自転車を購入する場合、その購入額を月割にして、その収入から必要経費として控除して差しつかえないか。
答 当該職業に必要不可欠な場合であって、社会通念上ふさわしい程度の購入費であり、かつ、その購入によって収入が増加すると認められるときは、通常、交通費、運搬費等として計上されるべき額の範囲内で必要経費として認定して差しつかえない。また、通勤用に使用する場合においても、通常、交通費等として計上される程度の額の範囲内で認定して差しつかえない。

事業用や通勤用であれば、通常の交通費として控除する分においては、原付等の購入費を月割し、必要経費として毎月の収入から控除してよいということですね。


ただし、先程の保有要件とは原付等の程度が異なることとなるため、それについてもご説明します。

厚生労働省保護課長事務連絡
生活保護問答集について(抄)
問8-101 原動機付自転車等の容認総排気量と必要経費の範囲
(問)就労に必要な原動機付自転車等の購入費が就労のための必要経費として認められているが、どの程度の総排気量が認められるか。また保有のための必要な経費として控除できる範囲を教示されたい。
(答)ここで認められる原動機付自転車の総排気量は、50cc程度に限られたい。ただし、山間部などで特に必要と認められる場合は、90ccまで認めて差し支えない。
 また、保有のための必要経費としては、原動機付自転車の場合は、修理代、燃料費、自動車損害賠償保障法に基づく自動車損害賠償責任保険の保険料、任意保険料の対人・対物賠償分、軽自動車税及びヘルメット代を、自転車の場合は、修理代、防犯登録料、駐輪場代、個人賠償責任保険料を認めて差しつかえない。

以上のとおり、原付等の購入費を就労の必要経費として認定する場合には、50cc(山間部なら90cc)程度のものに限られます。

また、ここでは保有するうえでの維持費の範囲についても示されていますね。

この維持費については、別の通知もありますので、あわせてご紹介します。

原付等の維持費について

原付を含む自動車等の維持費の取扱いについては次のとおりです。

厚生労働省保護課長問答(抄)
就労に必要な自転車等の購入費
問(8の2)125cc以下のオートバイ、原動機付自転車又は通勤用・事業者用自動車の保有の認められた者については、通勤又は事業のための利用に伴う燃料費、修理費、車検に要する費用、自動車損害賠償保障法に基づく保険料及び任意保険料、自動車重量税・自動車税・軽自動車税、自動車運転免許の更新費用等を必要経費として勤労・事業収入から控除してよいか。
答 必要最小限度の額を必要経費として控除して差しつかえない。
 なお、任意保険料については対人・対物賠償に係る保険料に限るものである。
 また、自動車税及び軽自動車税については、身体障害者等の場合、減免されることがあるので留意されたい。

以上のとおり、燃料費はもちろん、修理費や保険料、運転免許の更新費用等も収入から控除する取扱いが可能と示しています。

ただし、福祉事務所は交通費がかかることは容易に把握できますが、修理や保険、免許の更新時期等まではわからないため、自分から申告しなければ認定のための検討のテーブルにすら上がりませんのでご注意ください。

まとめ

以上、ここまで述べてきたことを簡単にまとめます!

①原付やオートバイ等の保有を容認されるには総排気量125cc以下を前提として、4つの要件を全て満たす必要がある。
②50cc(山間部では90cc)程度の原付等であれば、購入費を必要経費として就労収入等から控除できる場合がある。
③原付等やオートバイ等の保有が認められている場合、その燃料費、修理費、自賠責・任意保険料、軽自動車税及び運転免許更新費用等を必要経費として就労収入等から控除できる場合がある。

この3つさえ覚えておけば、あなたも原付保有マスターです!笑

ただし、これらの取扱いはあくまでも福祉事務所側が認めるための例を示したものであり、実際には個々の世帯において保有が認められるかは綿密に検討が行われたうえで判断されるためご留意ください。

以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。

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