徹底解説!生活保護費で敷金が支給される範囲とは?

受給者向け

今回は、Twitterのフォロワーの方からご要望がありましたので、転居の際の敷金等の支給についてお話いたします!
解説のネタ切れ防止にもなりますので、皆さんもどんどんDMやコメント等でご質問くださいね。

まず、転居の際の敷金は次のように定められています。
なお、途中で出てくる「オに定める特別基準額」というのは、厚労省が各市区町村の級地区分で定めている家賃額(最も数が多い3級地-1であれば独居世帯で30,000円)に世帯員数に応じた率を乗じたもの(独居世帯であれば30,000×1.3)のことを指します。

厚生労働省社会・援護局長通知第7-4-(1)-カ (抜粋)
被保護者が転居に際し、敷金等を必要とする場合で、オに定める特別基準額以内の家賃又は間代を必要とする住居に転居するときは、オに定める特別基準額に3を乗じて得た額の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

これを上記の計算式に当てはめると、3級地-1の独居世帯では

30,000円×1.3×3=117,000円


と、117,000円までの敷金等が支給できることとなります。
自身の住む地域がどの金額になるのかは、各福祉事務所等にご照会ください。


そして、「転居に際し、敷金等を必要とする場合」とは、次のように定められています。
文量が多くなりますが、ケースワーカーは支援漏れのないよう、生活保護を受給される方は適正な保護変更申請ができるようにしっかり理解していきましょう!

厚労省社会・援護局保護課長通知
問(第7の30)局長通知第7の4の(1)のカにいう「転居に際し、敷金等を必要とする場合」とは、どのような場合をいうか。
答 「転居に際し、敷金等を必要とする場合」とは、次のいずれかに該当する場合で、敷金等を必要とするときに限られるものである。
1 入院患者が実施機関の指導に基づいて退院するに際し帰住する住居がない場合
2 実施機関の指導に基づき、現在支払われている家賃又は間代よりも低額な住居に転居する場合
3 土地収用法、都市計画法等の定めるところにより立退きを強制され、転居を必要とする場合
4 退職等により社宅等から転居する場合
5 法令又は管理者の指示により社会福祉施設等から退所するに際し帰住する住居がない場合(当該退所が施設入所の目的を達したことによる場合に限る。)
6 宿所提供施設、無料低額宿泊所等の利用者が居宅生活に移行する場合
7 現に居住する住宅等において、賃貸人又は当該住宅を管理する者等から、居室の提供以外のサービス利用の強要や、著しく高額な共益費等の請求などの不当な行為が行われていると認められるため、他の賃貸住宅等に転居する場合
8 現在の居住地が就労の場所から遠距離にあり、通勤が著しく困難であって、当該就労の場所の附近に転居することが、世帯の収入の増加、当該就労者の健康の維持等世帯の自立助長に特に効果的に役立つと認められる場合
9 火災等の災害により現住居が消滅し、又は、居住にたえない状態になったと認められる場合
10 老朽又は破損により居住にたえない状態になったと認められる場合
11 居住する住居が著しく狭隘又は劣悪であって、明らかに居住にたえないと認められる場合
12 病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合又は高齢者若しくは身体障害者がいる場合であって設備構造が居住に適さないと認められる場合
13 住宅が確保できないため、親戚、知人宅等に一時的に寄宿していたものが転居する場合
14 家主が相当の理由をもって立退きを要求し、又は借家契約の更新の拒絶若しくは解約の申入れを行ったことにより、やむを得ず転居する場合
15 離婚(事実婚の解消を含む。)により新たに住居を必要とする場合
16 高齢者、身体障害者等が扶養義務者の日常的介護を受けるため、扶養義務者の住居の近隣に転居する場合
 または、双方が被保護者であって、扶養義務者が日常的介護のために高齢者、身体障害者等の住居の近隣に転居する場合
17 被保護者の状態等を考慮の上、適切な法定施設(グループホームや有料老人ホーム等、社会福祉各法に規定されている施設及びサービス付き高齢者向け住宅をいう。)に入居する場合であって、やむを得ない場合
18 犯罪等により被害を受け、又は同一世帯の属する者から暴力を受け、生命及び身体の安全の確保を図るために新たに借家等に転居する必要がある場合

わりと想定されるケースが多いような気もしますね。
特筆すべきは13でしょうか。
親戚の家にやむを得ず一時的に住むこととなり、出ていかなければならなくなった際、その親戚等の援助が得られないようであれば保護変更申請も選択肢に入れられるよう、頭に入れておいて方がよいです。
もちろん、他の条件も覚えておくに越したことはありません。

長くなってしまったので今回はここまでとしますが、敷金等の支給については奥が深く、まだまだ解説すべきことはあります。
取り急ぎ、今回は支給できる条件についてご理解いただければ幸いです。


以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。

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