個室料は払わなくてはならない?
私たちは、誰でも急な病気やケガで入院することがあります。
基本的には数人で1つの部屋に寝る多床室への入院となりますよね。
ただ、稀に「空いている部屋がない」等の病院側の都合により、個室を案内されることもあります。
そんなとき、病院側が同意書にサインを求めてくることがありますが、ここで要注意!
よく読まずにサインすると、高額な個室料を請求されることがあります!
本日は、生活保護制度上における病室の差額請求も絡めながらお話していきましょう。
法律関係は…
まず、病室の請求関係は別冊問答集に定められています。
生活保護手帳別冊問答集 医療問31 病室の差額請求 (問)被保護者が、治療上の必要によりやむを得ず個室に収容され、当該指定医療機関から病室の差額について請求された場合、医療扶助でどう扱ったらよいか。 (答)医療機関は、患者の選択により、個室など特別な療養環境を提供した場合には、保険外併用療養費として、患者に特別な料金の負担を求めることができることとされているが、患者本人の治療上の必要により個室などへ入院させる場合については、特別な料金を求めてはならないこととされている。したがって、設問のケースの場合は、入院料との差額を医療扶助により支給する必要はない。 ※平成18年3月13日保医発第0313003号保険局医療課長・歯科医療管理官連名通知「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」
わかりやすく言うと「上記のケースでは病院側が必要と判断して個室に入れたんだから、そもそも患者に請求しちゃいけないものなので当然に保護費も出ませんよ」ということです。
ただ、注目すべきは「患者の選択により…~特別な料金の負担を求めることができる」という部分です。
つまり、患者自身が個室の希望を表明したようなものがあると、請求されてしまうことがあると読み解けます。
まとめ(邪推)
何が言いたいか、もうおわかりでしょう。
私が悪徳病院の経営者だったとしたら「どうせ患者の治療上の都合だから病院で負担しないといけないし、ダメ元で『本人が個室を希望する』っていう内容の同意書にサインしてもらお~♪」と考えると思います。
サインを断られたら通常どおり病院が負担するだけだし、同意してもらえれば後で何を言われようと請求できますから、やったもん勝ちなんですよね。
そのため、入院患者は、個室に移動する前に何か変な同意書のようなものを書かされそうになった際は、よくよく内容を確認する必要があります。
そして、必ず「病院側の都合で個室に移動するんですよね?」と確認しましょう!
特に、生活保護を受けている場合は、個室料は保護費で負担できると定められてはいないため、後の生活に困窮しないためにも要注意です!
中には病院側も「生活保護で何とかなるでしょ」と思っている場合があります…。
実際に私も、高齢受給者の方がよくわからないままに同意し、支払いに困っているケースを何件か見てきました。
保護費等のやり繰りで個室料が賄えるうえで、自身で選択する分には何ら問題ないんですけどね。
以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。
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