生活保護の葬祭扶助における限度額の罠【死亡診断書料】

CW向け
スポンサーリンク

今回は葬祭扶助について

どうも、もとけぃです。
この年始、様々な理由により葬祭扶助を支給することとなった福祉事務所もあるのではないでしょうか。
しかし、我が福祉事務所では、過去にこの葬祭扶助の上限額の取扱いを誤っており、監査にて指摘をくらったことがあります…

今回は、そんな葬祭扶助に秘められし罠(?)について解説いたします。
内容的にはケースワーカー向けですね。
それではいきましょう!

スポンサーリンク

法律関係は…

まず、葬祭扶助は生活保護法において次のように定められています。

生活保護法(抄)
(葬祭扶助)
第十八条 葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
 一 検案
 二 死体の運搬
 三 火葬又は埋葬
 四 納骨その他葬祭のために必要なもの
2 左に掲げる場合において、その葬祭を行う者があるときは、その者に対して、前項各号の葬祭扶助を行うことができる。
 一 被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないとき。
 二 死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないとき。

法律用語だと少しわかりにくいですが、ざっくり言うと「生活保護を受けていた死亡者に扶養義務者がいないときや、遺留金等で葬儀費用が賄えないときは、葬祭扶助を支給できますよ」ということが書いてあります。
次は、その扶助の上限額についてです。

スポンサーリンク

上限額について

上限額については、厚労省告示別表第8において定められています。

基準額
 1級地及び2級地…大人:212,000円以内、小人:169,900円以内
 3級地…大人:185,000円以内、小人:148,400円以内

※市町村条例により更に加算される場合がありますが、ここでは割愛します。

これは数字のとおりで、保護費で負担できる費用は、葬祭にかかるものすべてをひっくるめて上記の額までです。

死亡診断書等費用について

しかし、上記基準額のみで賄いきれない場合、いくつかの費用に加算額が定められています。
そのうちのひとつが死亡診断書の作成等にかかる費用です。

厚労省局長通知第7-9-(3)(抜粋)
 死亡診断又は死体検案に要する費用(文書作成の手数料を含む。)が5,350円をこえる場合は、葬祭扶助基準額表の額に当該超える額を加算した額を、特別基準の設定があったものとして、計上して差しつかえないこと。

これを読むに、「医師が書く死亡診断書の基本額が5,350円で、それを超える額については表の上限額に加算しちゃっていいよ」ということが書かれていますね。
私の福祉事務所では、入庁前からの何となくの運用により、この部分をはき違えて認定していたことがあります。

どう間違えていた?

気をつけるべき箇所は、上記通知文の「5,350円をこえる場合は、葬祭扶助基準額表の額に当該超える額を加算した額」という部分です。
つまり、仮に病院に請求された死亡診断書料が6,350円であったとしたら、基準額に加算できる額は1,000円のみということになります。
そのため、そもそもの基準額の上限内にこの5,350円もすべて含まれている必要があるということです。
恥ずかしながら私の福祉事務所ではここをはき違え、5,350円を含めた時点で基準額の上限を超えているのに認定してしまっていたんですよ。
あるときに、ふと気になって上庁に確認したところ、取扱いが間違っていることがわかったので是正されました。
その際、近隣の市町村等も意外と間違っていることがわかったため、今回紹介させていただいたというわけです。

まとめ

口を酸っぱくして言いますが、生活保護に関わる通知等は星の数ほどあります。
だから、あなたの福祉事務所でも取扱いを間違っているものがあるかも…?
ひとつでもそんな間違いを防ぐため、これからもブログを続けていきたいと思います!


以上、ご確認の程よろしくお願いいたします。

正社員への就職なら【就職Shop】

コメント

タイトルとURLをコピーしました